『ポジションどうなさいます?』

ロウマです。
今日はフライト前のブリーフィングで起こったこんな出来事をご紹介します。

 

キャビンアテンダントの座る座席位置を「ポジション」と呼んでます。

例えば、通路が2本あって、ドアが合計8つある飛行機としましょう。

 

 

 

 

 

進行方向向かって
左側はLEFTなのでL
右側がRIGHTなのでR

そして、前から1.2.3.4…とポジションが並びます!

基本的にチーフパーサーがL1を取るのは、どの会社でも基本ですね。

 

あと、エコノミークラスのチーフがL4を取ったり
後方のギャレー担当はR4になったり
会社によって、それぞれ違う部分はあります。

 

で、このポジションが毎回どう決まるのかですが
基本的にはセニョリティー(社歴順)を見ながら決められるのが一般的かなと。
新人の間は、このポジションからスタートして、
少しずつ慣れてきたら、他のポジションで勉強していきましょうといった感じですね。

 

 

各ポジションによって、お客様の担当区分も変わりますし、
非常装備品も異なるので覚えていかなければなりません・・・
まあ、何年もやってると、どのポジションが好きだとか、楽だとか(笑)分かってくるんですけどね。

 

 

で、昔々働いてたエアラインでの新人の頃は、
ブリーフィング前にチーフに挨拶に行くとともに
どこのポジションで勉強したいのかを報告しなければならない
「ポジションリクエスト」なるものが存在したんです!

 

 

「R4を10回ほど経験いたしましたので、次は非常口座席の勉強ができればと思い、
本日はR3にアサインしていただければと考えてます」

 

という感じの理由を付けてのポジションリクエストをチーフに毎回伝えてたのです。

まあ、だいたい3ヶ月くらいやれば、ポジションリクエストをしなくても良くなってくるんですが・・・

 

 

ある日のブリーフィングで、なかなか厳しいことで有名なチーフが
「○○さん(←3ヶ月乗務終えたくらいの新人ちゃん)、ポジションリクエストはございませんか?」
と、チーフ直々にお尋ねではありませんか!

 

そしたら、その新人ちゃん、なかなかの天然ちゃんだったので

「あっ。。。特にリクエストはありません」

と、にこやかに答えてみたら・・・

 

「じゃあ、あなた、今日はL1(チーフ)やりますか!?」

 

 

ブリーフィングルームが凍り付きました。
3か月の新人に、チーフ業務やりますかって。。。勘弁して下さい

 

 

ただ、その同期の天然っぷりを知ってるからこそ、彼女がその問いに
「えっ、私がチーフさせていただけるんですか!?光栄です♡」

 

なんて、ぶっ飛んだ回答しないかと、更にヒヤヒヤしたもんです!笑

 

 

ちなみに、このポジションリクエストを毎回ブリーフィングで発表し、
デブリでその反省をするのですが、更には、その便でご一緒した先輩から
アドバイスをいただくという、これまた追加の業務もあったりしまして。

 

 

例えば、自分がR4(機内最後尾右側)であれば、
L4(機内最後尾左側)の先輩がもっとも距離的にも近く、
指導係だったりしていただくので様々なアドバイスをいただけるんですが
時と場合によってはR1(機内最前方右側)の先輩なんかにもアドバイスをいただく場合も

 

 

すると。。。

 

「今日は機内全体を見ながら動くことが、ロウマさんは出来てなかったと思いますよ」
と、ありがたいアドバイスをいただくのですが

R1からR4って、かなり距離ありますし(50mくらいかと)・・・
R1の先輩はビジネスクラスで働かれてて、私が働いてたエコノミークラスとはカーテンで仕切られてたかと・・・

 

 

あたしのこと、本当に見えてたのでしょうか?
視力2.0でいらっしゃいましたか?

 

と、思ったとか思わなかったは別にしておきまして(苦笑)

 

 

訓練生の名札も取れ、3か月乗務したところで、ちょっと気が抜けた時を見計らって、
喝を入れてくださったチーフに今はとても感謝しています。
何事も、慣れてきたころに大きな失敗しがちですもんね、
気を引き締めて過ごさないといけないなと、このコラムを書きながら思っています!

 

 

 

 

ライタープロフィール

田中ロウマ
田中ロウマ
エアライン業界・キャビンアテンダント業界の裏話から、採用面接におけるヒントまで幅広いネタを考えて書いています。時々出てくるオネエキャラのロマ子ブログは、受験生さんの質問に容赦ない回答を出しております。