「仕事で英語を使うなら730点突破を目指そう」
TOEIC L&Rテストで730点以上を取るのは、受験者の約20%。自力だけを頼りにするのであれば、600点にはリスニング7割・リーディング5割の正答率が求められますが、730点ではリスニング8割・リーディング7割の正答率が必要です。
試験のテクニックを身につければ600点までは到達することができますが、730点には英語力を高めないといけません。
壁はなかなか厚いです。
ただし600点を取れるのであれば基礎力がかなりある証拠です。
期間をあけず、そのまま集中して勉強した方がいいでしょう。
1日60~90分を捻出することができるのなら、3カ月で730点を取れる可能性は十分あります。
具体的には、600点を目標としていた頃にはなかなか手ごわかったはずのリスニングの会話問題、説明文問題(Part 3とPart 4)、リーディングの長文穴埋め問題、読解問題(Part 6とPart 7)に注力して学習を行っていきましょう。
2週間かけて模試1セット(200問)を演習・復習すればかなりの力がつくはずです。
以下に学習時における詳しいポイントをまとめておきます。
①時間配分を決める
目標600点では、解ける問題に集中すればよかったのですが、730点を目指すには難問とも向き合わなけばなりません。
そのためには解ける問題は速く解き、プラスαの時間を難問につぎ込む必要があります。
リーディングは自分の実力から考えてPart 5、Part 6、そしてPart 7をそれぞれどれくらいの時間で解くことにするのか、それをあらかじめ決めておきましょう。
正確な文法・語彙の知識が要求されるPart 5は、分からない問題はいくら考えても解けないことが多いはずです。
一方、Part 7は難しくても正解の根拠が本文に書いてあるので、時間を使って考えれば正解を導けることがあります。
Part 5は速く解き、Part 7に時間を割く意識を持って臨むと良いでしょう。
②先読みに慣れる
会話や長文を聞きながら設問を解いていくPart 3とPart 4は、音をうまく聞き取れず、内容を捉えそこねてしまうことが多々あるはずです。
それを避ける方法のひとつが、音声が流れる前、先に設問と選択肢を読んでおく「先読み」です。
設問は基本、5W1Hの疑問文しかありません、「誰が」、「なぜ」、「どうやって」。
問われることが事前に分かっていれば流れる音声の内容を待ち伏せすることできるので、該当するキーワードを探しやすくなります。
また、具体的な場所が明示されていなくても、設問中、たとえば「ticket」「plathome」「train」などの単語が出てきたら、会話が行われている場所は駅という設定であると想像することができます。
背景をイメージすれば、よりリスニングに集中することができるはずです。
③リスニングを強化する
ディクテーション、リッスンアンドリピートでリスニングの基礎を固めたら、さらにその上級編として試したいのが、耳に入ってきた文章を同じ速さのまま口にしてみる「オーバーラッビング」です。
まず音声を聴きながら、同時に声に出してみます。
言えなかったらスクリプトを見ながら何回か口にしてみましょう。
そこで言えたら、スクリプトの補助輪を外し、音だけの情報を頼りに発語してみます。
オーバーラッピングがこなせるようになったら、聞いた音声を0.5秒ほど遅らせて喋るシャドーイングへ。
声に出している間も耳に入ってくる音声を覚える必要があり、簡単には行うことができないはずです。
なぜこのような練習をするかといえば、質問を聞いた後に選択肢の音声を聞いていると、最初の質問を忘れてしまうことがあるからです。
シャドーイングによって、短期記憶能力も鍛えていきましょう。
④Part 7を徹底対策
リーディングの100問中、半分以上の54問が読解問題なので、ハイスコアを狙うのであれば対応を怠るわけにはいきません。
現在のTOEIC L&Rテストでは、チャットの問題が登場します。
これに限らず、Eメール、案内文、説明書、レシート、申込書など、日常生活やビジネスシーンに即した文章が頻出します。
問題集や模試を中心に、ビジネス文書に慣れておくといいでしょう。
同様にPart 6の長文穴埋め問題も設問が各文章に4題ずつあります。
空欄に文章を挿入する問題もあります。
この手の問題は本文を読みこんで、文脈をしっかりとらえる必要があります。
そのためには早く、そのうえで理解しながら英文を読みきらないといけません。
少しずつでもいいので、毎日英文を読むトレーニングを重ねておきましょう。
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ライタープロフィール

- 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。明海大学や獨協大学、ファーストリテイリングや楽天銀行、SCSK、エーザイ、オタフクソースなどの企業でTOEICテスト対策研修講師を務める。これまでにTOEIC L&Rテスト 990点(満点)を60回以上取得。TOEIC L&Rテスト対策セミナーなども開催。NHK『入門ビジネス英語』「濵﨑流! あせらず学ぶ英文法」連載中。著書に、『中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)、『TOEIC L&Rテスト 990点攻略』(旺文社)、『はじめて受ける TOEICテスト パーフェクト入門』(桐原書店)など多数。
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