どこに出しても「英語が堪能」という名刺になるであろう、TOEIC 900点の肩書き。
しかし全受験者の3%だけが900点以上になるよう設定されており、正答率9割でも到達しないというのがこのレベルです。
リスニングはほぼ満点が求められ、全部のパートを均等に回答する必要があります。
公式問題集を中心に、模試をパッケージとしてまるごと演習するのが王道です。
そして具体的な試験対策だけではなく、TOEICの問題をひとつの素材としてとらえ、会話やプレゼンの場面で話したり、自分がメールを書くつもりで書き出したりしてみるなど、実践的な英語力を向上させるトレーニングも取り入れると良いでしょう。
900点を目指す人の多くは、高い壁にぶつかって、一度は挫折しかけるものです。
そこであきらめず、「自分絶対に達成する!」と信じる強い意志が、何より必要なのかもしれません。
①新形式に対応する
2016年5月から、新形式が採用されたテストでは平均点が一気に落ちました。
ここ2~3年に初めてTOEIC L&Rテストを受験した方は問題ないのですが、2016年5月以前のTOEICしか受けたことがない方は注意が必要です。
旧形式の問題と新形式の問題が別々だったら分かりやすいんですが、旧形式の問題の中に新形式の問題がポツポツと交じっています。
何も予習せずに回答していくと、「こんなタイプの問題はなかったな」とリズムが狂ってしまい、点数に影響してしまいます。
動揺しないためには、新形式対策の問題集をやりこみ、微妙にタイプが変わったPart 3, 4, 6, 7の問題傾向を把握しておくことが肝要です。
以前にも増して、問題を復きちんと復習し、内容をしっかり理解することが大事です。
最初は時間がかかるかもしれませんが、徐々に読解力があがって、新形式の問題にも惑わされなくなります。
②100問通して解く
900点を目指す者にとって、本番の試験はマラソンのようなもの。
全体の時間に対し、どのセクションを何分で解くか、あらかじめ回答のペース配分を想定しておく必要がありますが、本番、ずっと全力でできることはまずありません。
必ず予定が狂うんです。
その際、「今は疲れているから、ペースを少し落とそう」と調整できないと、ケアレスミスを招いてしまいます。
そこで普段やっておきたいのが、リスニングかリーディングのどちらかを選び、毎日100問を試験と同じ時間で取り組むトレーニングです。
本番と同じように集中力の上げ下げを意識しながら解き、その日のうちに復習するようにします。
ただし100問を演習・復習するためには、1日2~3時間は必要です。
通勤、昼休み、自宅の時間などをうまく使って取り組むようにしてみてください。
③題材の会話やトークを暗唱レベルに
ほぼ完璧な解答を求められるリスニングセクション。
よりレベルを上げたい人には、Part 3,4の題材を暗唱できるようになるまで繰り返し音読するというアドバイスを送ります。
完璧に話せるまでひとつの題材を徹底的にやり込むと、会話やトークの流れが頭に入って、ストーリーを理解しやすくなるんです。
英語で考える回路が一通り身につくので、スコアにもいい影響を与えます。
心がけたいのは、量をこなすのではなく、1つか2つの題材に集中して、質を優先させることです。
題材はTOEICの問題に限らず、政治家や有名人のスピーチを採用してもいいでしょう。
お薦めは「ラジオ英会話」のダイアローグの暗唱です。
流暢に語っていると、自分は英語ができるという自信が湧いてきて、試験に飲まれることが少なくなってきます。
スピーキングの訓練にもなるので、ビジネスシーンで役立つのもメリットとなります。
④英英辞典を活用する
900点以上を目指す人であれば持っていてほしいアイテムのひとつとして、英英辞典があります。
Part 7にはある単語と同じ意味の単語は何か、選択肢の中から選ぶ「語の言い換え問題」の出題があります。
これを英語から日本語に訳して考えると、英語がもつ意味の広がりを見落として、適切な言い換えに気づかないことも出てきてしまいます。
そこで言い換えの単語を探したり、意味があやふやな単語を調べる際、英英辞典を使って英語の感覚だけで理解してみましょう。
こんな意味もあったんだという発見があって、英語のセンスがさらに磨かれます。
またよく分からない英語表現が出て来た時は、辞書を引くだけでなく、ウェブで画像検索するのも効果的です。
単語がビジュアル化されて、イメージが頭に残りやすいからです。
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ライタープロフィール

- 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。明海大学や獨協大学、ファーストリテイリングや楽天銀行、SCSK、エーザイ、オタフクソースなどの企業でTOEICテスト対策研修講師を務める。これまでにTOEIC L&Rテスト 990点(満点)を60回以上取得。TOEIC L&Rテスト対策セミナーなども開催。NHK『入門ビジネス英語』「濵﨑流! あせらず学ぶ英文法」連載中。著書に、『中学3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』(かんき出版)、『TOEIC L&Rテスト 990点攻略』(旺文社)、『はじめて受ける TOEICテスト パーフェクト入門』(桐原書店)など多数。
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